- 1 片山さつき氏が「ブルーインパルス」の画像をアップ
- (1)片山さつき氏が五輪に対する批判者を挑発
- (2)2021年五輪のブルーインパルスの画像ではなかった
- 2 とりあえず知人のせいにして逃げを図る
- 3 プロトタイプだと言い出した
- 4 故意に著作権法違反をしたのではないか
- 5 貧困バッシングや女子高生炎上事件の経歴
1 片山さつき氏が「ブルーインパルス」のフェイク画像をアップ
執筆日時:
一部改訂:
筆者:平児
(1)片山さつき氏が五輪に対する批判者を挑発
2021年7月23日東京五輪開催の前日に、ブルーインパルスが東京上空に五輪を描くスカイライティングを行った。これは、コロナ禍の中で、地上に市民の密集状態を作りだし、多くの識者や国民の批判を浴びたところである。
すると、片山さつき氏は、批判者を挑発するかのようンTwitterにブルーインパルスの写真をアップして「ブルーインパルス、素晴らしい!」と投稿した。
もちろん、一般論としてブルーインパルスを称えたわけではない。当日のブルーインパルスによるスカイライティングを称賛したものであることは当然である。
(2)2021年五輪のブルーインパルスの画像ではなかった
3000RT:【鮮やか】ブルーインパルス、東京の青空に五輪描くhttps://t.co/NKQjutml0P
— ライブドアニュース (@livedoornews) July 23, 2021
東京五輪の開会式を直前に控えた23日午後、ブルーインパルスが都心を飛行し、国立競技場上空付近でカラースモークを使い、五輪マークを表現した。 pic.twitter.com/k5MarByJtr
しかし、右に表したライブドアニュースtweet(※)でも示されているが、この日の東京には風が出ており、これほどきれいな形での五輪は描けなかったのである。しかも、片山さつき氏が投稿した画像のように雲一つない晴天と言うわけでもなかった。投稿がフェイクであることは明らかだった。
※ 本稿執筆の当初は、NHK の tweet を埋め込んでいた。しかし、まさか NHK が片山氏に気を使ったわけでもないだろうが、tweet を削除してしまったのでライブドアニュースに差し替えた。
そのため、TwitterやFacebookなどのSNSで、この片山さつき氏の投稿がフェイクではないかという投稿があふれて炎上状態となったのである。
たしかに東京タワーの周囲にはNECのビルもないし、浅草のスカイツリーも見当たらない。誰が見ても、2021年の東京ではない。
そして、片山さつき氏の投稿が映画「ALWAYS三丁目の夕日'64」の映像のコピーではないかとの指摘がTwitterでされたのは、片山さつき氏の投稿からまもなくだった。有名な映画であり、観ている人も多い。あっさりと、嘘がばれてしまったのである。
片山氏がここで止めていれば傷は浅かったかもしれない。ところが、ウソがばれたことに耐えられなかったのか片山さつき氏は、さらにつじつまの合わないtweetを重ねてゆくのである。
2 とりあえず知人のせいにして逃げを図る
まず、片山氏は、とりあえず知人のせいだとして逃げを図った。「新宿の都庁にいる仲間からSNSが来て(中略)そのままTwitterに上げました」として、意図的に嘘をついたわけではないと主張したのである。
しかし、これはおかしい。片山氏は、「今もホテルのテレビで開会式見てます」と言っている。テレビを視ているのだったら、ニュースでスカイライティングが乱れたことは知っているはずだ。まさか、政治家ともあろうものが、ニュースを視ずに開会式を観ているなどということはあり得ない。本人が視なくてもお付きの秘書がみて報せるだろう。
しかも、航空写真は後から公式発表になるから、都庁の仲間から事前に送付されたものをTwitterにアップしたと言っている。だとすると、後から政府が公式に発表するべき写真を、政治家が非公式ルートで入手して、個人のSNSに事前に上げたということである。
片山氏のアップした写真は、片山氏も述べているように明らかに空中から航空撮影されている。素人が個人で撮影できるようなものではない。片山氏が「都庁にいる仲間」から入手したというなら、その時点で政府か報道機関が撮影したものだと考えるのが自然である。しかし、報道機関が公表前の写真を政治家に渡すことは考えにくい。
つまり、片山氏の主張の通りなら、政府が公式公表する前の画像を、自民党の議員がアップしたということになる。そのことがそもそもスキャンダラスなのである。
そのことはおくとしても、国民の眼から見れば出所不明な画像なのである。誰が考えても、著作権の表示がないのはおかしいと感じる。平児も一国民として疑問をtweetした。もちろん、片山さつき氏からは無視されているが。
※ なお、このツイートにある「高校生に対して、嘘をついたとつるし上げる人物」については後述するが、「片山さつき氏の高校生虐め」を参照して頂きたい。
3 プロトタイプだと言い出した
すると、片山氏はさらに矛盾したtweetを上げて糊塗しようとする。SNSで、嘘の画像をアップしたと言われたことに反論して、あれはプロトタイプだったと言い出したのである。
あれは、「本来、こう見せるつもり」のものだと言い出したのだ。しかし、最初の投稿を見て頂きたい。これには「ブルーインパルス、素晴らしい!」としか書かれていない。しかも、ブルーインパルスがスカイライティングを行った当日なのである。このツイートを見れば、誰でも、当日のブルーインパルスの映像だと思うだろう。
しかも、2回目のtweetでは、「本当にホッとしてそのままTwitterに上げました」と書いてある。プロトタイプと考えていた訳はないだろう。当日になっていきなり「都庁にいる仲間」がプロトタイプの画像を送付してくるわけがあるまい。誰が考えても苦しい言い訳にすぎない。あまりにもみっともない言い訳である。
4 故意に著作権法違反をしたのではないか
しかも、「都庁にいる仲間」が当日の写真として送付してきたものをアップしたのであれば、著作権法違反について知らなかったという言い訳も通用するかもしれないが、プロトタイプとしてアップしたのなら明らかに著作権法違反だと分かっていてやったということになる。
プロトタイプなら、誰かが事前に作っていることは片山氏にも分かっている訳である。その引用元を明らかにしていないのであるから、故意に著作権法違反をしたとしか思えないのである。
報道機関(※)やSNSでも、著作権法違反だという指摘がかなりなされている。しかし、片山さつき氏はこれらの批判に対して知らぬ顔を決め込んでいる。著作権法違反は親告罪だから放置しても大丈夫だとでも思っているのだろうか。だとしたら卑劣な人物である。
※ 女性自身2021年7月26日記事「片山さつき氏 ブルーインパルス写真を“捏造”?著作権侵害を指摘の声も」、BUZZFeedJAPAN2021年7月26日記事「「ブルーインパルス、素晴らしい!」自民・片山議員、映画『3丁目の夕日'64』の画像をシェアしツッコミ殺到」など。
それにしても、映画のワンシーンを著作権を無視して、「ブルーインパルス、素晴らしい!」と投稿しておきながら、ウソがばれると、「都庁にいる仲間」が公式公表前のものを送ってきたと言ってみたり、あれはプロトタイプと言ってみたり、ここまで程度の低い人物が大臣をしている。自民党・公明党政府の質の低さの表れだろう。
5 貧困バッシングや女子高生炎上事件の経歴
片山さつき氏は、これまで貧困バッシングや女子高生炎上事件などに深くかかわってきた人物である。
いくつかの生活保護をめぐる不正事件を取り上げて、生活保護を受けている国民のすべてが犯罪者か何かのような印象を国民に植え付けようとしているのである。
また、片山さつき氏は、NHKの番組に登場した女子高生に対して、炎上事件を起こすきっかけとなるtweetをした人物でもある。
詳細は、先述した「片山さつき氏の高校生虐め」を参照されたい。
その後、ネット右翼によって、この女子高生に対する人権を侵害するtweetが数多く投稿された。そして、今もTwitterにそのまま放置されている。平児もみかけたらTwitter社に報告するようにしているが効果はあまりないようだ。これらの人権侵害のtweetは、片山氏のtweetによって煽られた面があると言えよう。
これまでも、プロレスラーの木村花さんなど多くの女性たちが、ネットの人権侵害に苦しめられてきている。普通なら、刑事事件や民事倍書事件になりそうな人権侵害事件が、片山氏という元国務大臣によって煽られた形となっているのである。
最後に、この問題に発言しておられる雨宮処凛さん、安田浩一さんのYouTube動画を紹介しておく。