- 1 小川榮太郎氏による名誉棄損が東京地裁で認定
- 2 名誉棄損の書物を大量に購入して配布した自民党
- (1) 国民の血税が名誉棄損の著者に支払われていた
- (2) 政府与党は名誉棄損を肯定するのか
- 3 政党交付金についての不都合な事実
1 小川榮太郎氏による名誉棄損が東京地裁で認定
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一部追記:
筆者:平児
「朝日新聞社が問題視した記述のほぼ全てで真実性は認められない」、「名誉毀損が成立する」
東京地裁判決はこう明確に認定した。小川榮太郎氏の書籍が朝日新聞社に対する名誉棄損となるかどうかが争われた訴訟の判決においてである。なお、関心のある方は「東京地判令和3年3月10日小川榮太郎名誉毀損事件」を参照されたい。
小川榮太郎氏と言えば、自民党議員の杉田水脈氏が新潮45に差別文書を掲載したとき、「それならLGBT様が論壇の大通りを歩いている風景は私には死ぬほどショックだ、精神的苦痛の巨額の賠償金を払ってから口を利いてくれと言っておく
」(※)などと、差別意識丸出しの文書で、杉田氏を擁護しようと試みたことで、有名になった安倍政権の“ブレーン”の一人である。
※ 小川榮太郎「政治は『生きづらさ』という主観を救えない」(2018年)
この著者の書物が、まともな内容ではないと、東京地裁が明確に認定したわけである。
2 名誉棄損の書物を大量に購入して配布した自民党
(1)国民の血税が名誉棄損の著者に支払われていた
問題は、この「真実性は認められない」、「名誉毀損が成立する」と東京地裁が認定した書籍を、政府与党である自民党が大量に購入して国会議員に配布していたという事実である。
『FRIDAY』2017年11月24日記事によると、党が全部で5000部以上購入したようです。一緒に送付されてきた書面には『ご一読いただき、「森友・加計問題」が安倍総理と無関係であるという真相の普及、安倍総理への疑惑払拭にご尽力賜りたい』という旨が記されていた
とされている(※)。
※ 適菜収「『新潮45』廃刊の真相と小川榮太郎氏の正体とは(後編)」による。
自民党が購入したというからには、その原資は政治資金であろう。すなわち、政党交付金が使われていたということだ。
我々国民の血税が、自民党によって、小川榮太郎氏に給付されたということである。真実性のない、名誉棄損とされた著書の購入に我々の血税が使われていたということだ。これは、とんでもないことではないだろうか。
(2)政府与党は名誉棄損を肯定するのか
さらに、問題なのは、自民党がこのような「真実性のない」「名誉棄損」の文書を、自党の議員の学習用として配布しているという点である。
すなわち、自民党の国会議員の知的・倫理的水準は、このような文書から、学ぶレベルだということだ。そのようなレベルの議員たちに、我が国の政治の運営を委ねておくのは、きわめてリスキーなことだというべきではないだろうか。
3 政党交付金についての不都合な事実
共産党が、政党交付金制度に反対しており、それを受け取っていないということはよく知られている。だったら、共産党が受け取るべき資金は、国庫に返納されるべきだというのが、我々国民の自然な考えであろう。
ところが、驚くべきことに、自民党・公明党政府は、共産党が返した資金を他党で分配してしまい、国庫に戻さないのである。国民のため使うのではなく、「名誉棄損」とされた書物の著書を学習するために使うのである。こんな政権に政治を任せておくべきではないというべきだ。
最後に、ひとつ動画を紹介しておく。
自民党が生産しているのも、差別と偏見だー。