ワクチン接種回数の誤報道


ワクチンの接種回数について、産経新聞が「『1日100万回接種』達成」と報じました。

しかし首相官邸のWEBサイトには1日当たり50万回程度しか接種したことになっていません。明らかなフェイク報道です。

SNSでも指摘されていますが、修正しようとしていません。




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1 産経新聞がワクチン接種関数100万回達成と報道

執筆日時:

筆者:平児

産経新聞が、「ワクチン接種、発表ベースで『1日100万回』達成」(※)と報じた。事実なら大いに歓迎すべきことである。

※ 産経新聞2021年6月8日「ワクチン接種、発表ベースで『1日100万回』達成

産経新聞

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記事を読む限り、首相官邸がそのように発表したというのではなく、産経新聞が「前日比109万3504回増」であるとして、独自に判断したように読める書き方になっている。

ところがこれについて、嘘ではないかとの指摘がSNSに溢れたのである。


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2 総理官邸サイトには1日50万回程度と掲示

総理官邸のWEBサイト新型コロナワクチンについてによると、3月7日の接種回数は50万回をわずかに上回る程度である。下図は9日時点のものであるが、ワクチン接種回数の、「直近に公表した接種回数との差」は、医療従事者等(+161,922 )と高齢者等(+ 861,579)を合わせて1,023,501回で100万回を超えているが、これは1日に接種した回数ではない。

総理官邸サイト

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総理官邸のWEBサイトによると、増分とは「原則、火曜日における増分は、当日公表した総接種回数(前日の月曜日時点)から前日の月曜日に公表した総接種回数(前週金曜日時点)を引いたものであり、その間の土曜日及び日曜日に報告された接種回数が含まれている(下線強調引用者)」(※)

※ 総理官邸サイト「増分とは

1日当たりの接種回数のグラフは以下のようになっているが、1日当たりの接種回数は50万回程度である。首相官邸が、WEBサイトと報道発表で異なる数値を上げるとは思えないので、これは産経新聞による誤報と言うべきものである。

1日の接種回数

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しかし、産経新聞はかつては主要全国紙のひとつに数えられていたのであり、記者数、デスクの数などかなりのものであろう。全員がワクチン接種数を知らないなどとは考えにくいし、総理官邸のサイトをチェックしなかったとは考えにくい。

五輪を目前とした意図的なフェイクの可能性も否定はできないだろう。さらには、ウソがばれたときに総理に類を及ぼさないような書き方をしたという、うがった見方をすることもできるのではなかろうか。


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3 訂正の指摘も無視

平児も、SNSでYahoo!ニュースに指摘をしておいた。

しかし、今に至るも反応はない。Yahoo!ニュース、産経新聞ともに両サイトともそのままの掲示を行っている。産経新聞はともかく、Yahoo!ニュースは、国民の信頼性の高いメディアである。このような誤報で世論が形成されるとしたら恐ろしいものがある。


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4 ついに総理が国会で「8日は100万回を超えてきた」と答弁

しかも、ついに総理が国会で「8日は100万回を超えてきた」とフェイク答弁をするに至った。(※)

※ 毎日新聞2021年6月9日「首相、1日100万回接種を党首討論でアピール 実際は60万回か

産経新聞の報道はともかくとして、総理が国会で述べたとすれば、これは責任問題であろう。毎日新聞が指摘する通り、これは明らかなフェイクである。菅総理のレベルも某市長さんと同じレベルということか。