- 1 橋本聖子氏の五輪組織委会長就任
- 2 竹下氏による橋本聖子氏"擁護"発言
- 3 橋本聖子氏が安倍総理にセクハラを勧める
- 4 橋本聖子氏は五輪組織委会長を辞任すべき
- 5 五輪はレイシストによって推進される
1 橋本聖子氏の五輪組織委会長就任
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筆者:平児
森前五輪組織委会長が女性差別発言で批判を浴び、海外のマスコミからも性差別主義者は五輪にふさわしくないとの批判を受けて辞任したことは記憶に新しい。すったもんだの挙句、(ことなかれ主義者が考えそうなことだが)後任は女性が良いということになり、森氏の子飼いとも噂される橋本聖子氏が後任に就任された。
ところが、その女性である橋本氏にセクハラの過去があると指摘される。世界大会の実施にかかわる五輪組織委の会長に、嫌悪感を催す過去があるというのでは何をかいわんやだろう。
なお、私は、橋本氏が日本会議という極右組織の幹事を務めているということでも、五輪組織委の会長にふさわしくないと考えているが、今日はその話には触れない。
2 竹下氏による橋本聖子氏"擁護"発言
橋本聖子氏の最初のセクハラ問題は、ソチ五輪閉会式後に日本選手団の団長であった橋本氏が若いフィギュアスケートの男性選手にキスを強要したというものだ。この男性が嫌がっていたにもかかわらず、選手団団長としての立場を利用して、親子くらい年齢離れた若い男性にキスを強要したと考えるのが自然だろう。
これに対し、自民党の竹下亘議員が、橋本氏は「男みたいな性格」「ハグなんて当たり前」「セクハラと思ってやっているわけではない」と、おかしな擁護をする。これが男性が女性に対してセクハラを行ったのであれば、「セクハラと思ってやって」いようがいまいがセクハラはセクハラだと誰もが考えるだろう。他人が嫌がっている性的な行為をする時点でアウトなのだ。
まして、「男みたいな性格」だの「ハグなんて当たり前」だのが、セクハラを否定する根拠にならないことは当然である。竹下議員の発言は、男目線のセクハラ擁護であり火に油を注いだだけの結果になってしまう。
それにしても、セクハラという言葉の意味がまったく分かっていないこの発言には、あきれるより他はない。
3 橋本聖子氏が安倍総理にセクハラを勧める
さらに、ソチオリンピックの帰国後のセレモニーで、橋本聖子氏が当時の安倍総理に対して、若い女性フィギュアスケート選手にハグをしろと勧めたことが週刊文春に報道された。私はこちらの方が問題だと思っているが、インターネットテレビの動画で見ると、この女性選手は明らかに嫌がっている様子が見て取れる。
安倍総理は、さすがに苦笑して拒否した。ここでやめていれば座興で済んだかもしれない。ところが、橋本氏はしつこくハグを強要する。女性選手は明らかに嫌がっているにもかかわらずである。動画を観ていて、さすがに強い嫌悪感を覚えた。
結局、安倍総理はこの女性選手にハグをする。報道陣は、これまたセクハラというべきだが、この女性選手にハグの感想を求めた。女性選手は「そういうハグではないので」と答えたが、この答えの中に嫌だったことを強要されたという意識が強く感じられる。これは、安倍総理も問題だが、最も批判されるべきは橋本聖子氏だ。
4 橋本聖子氏は五輪組織委会長を辞任すべき
最高の権力者である総理に、弱い立場の若い女性が嫌がっているにもかかわらずハグを唆す。このような行為は、人権感覚が欠如しているから行えるのである。繰り返すが、被害者は、橋本聖子氏に言い返すことが難しいような年齢の女性なのだ。悪質と言うより他はない。
いうならば、企業が大きな成果を上げた部署の打ち上げパーティを行っているとき、部署の長の女性部長が、社長に阿って、若い女性社員にハグしろと勧めている図である。社長は、女性社員が嫌がっているのを見てとり、やんわりと断るが、しつこくハグを勧めているのだ。
このような人権感覚が欠如した橋本氏が、五輪組織委の会長としてふさわしいとは、とても思えない。ところが、この報道のあと、先述の竹下亘氏が再び、橋本氏擁護発言を行うのである。その内容が噴飯もので「彼女自身の意識の中でセクハラしている意識はない。それは相当強く思う」というのだ。
繰り返すが、セクハラしている意識がないことがセクハラを擁護する根拠になると考えることが、「男目線のセクハラ擁護」なのである。セクハラそのものを”同病相哀れむ”で擁護しているのだ。人権感覚が欠如しているとしか言いようがない。
橋本氏は、五輪組織委の会長としてふさわしくないし、また、セクハラを擁護する自民党のような政党は政権を任せるにふさわしい政党ではない。
コロナ禍の中で、五輪を強行すれば国民の健康に重大な悪影響を与えることも考えられるのである。セクハラ問題とも相まって、最近では五輪に嫌悪感しか感じられなくなっている。
5 五輪はレイシストによって推進される
タレントの竹田恒彦氏が五輪開催の署名活動を開始した。
個人が何をしようとあれこれ言うつもりはないが、竹田氏について調べてみたら、BUZZAP!に「タレントの竹田恒泰氏『私の差別発言を10個挙げないと訴える』さっそく振り返ってみました」という記事があった。
またLITERAにも「大麻逮捕の竹田恒泰の従兄弟より悪質? 旧宮家の”権威”を利用したトンデモ事件簿! 竹田恒泰もマルチ商法関与」という記事があった。
五輪を推進しようとしている人びとがこういう連中だということは指摘しておきたい。